信州まるごと健康チャレンジを応援する『長野県厚生連』様の健康づくりの取り組み紹介です。
2025年7月18日(金)・19日(土)の2日間にわたり、佐久総合病院農村保健教育ホールにて「第64回農村医学夏季大学講座」が開催されました。メインテーマは昨年に引き続き「地域をともにつくる」、そしてサブテーマには新たに「災害に強い地域と医療」が掲げられ、今年は災害時における医療体制の強化と地域の共助の在り方について、議論を深めました。

開講式に続いて行われた若月賞授賞式では、地域医療に多大な貢献をされた3名の先生方が表彰され、それぞれの分野での取り組みについて講演が行われました。熊本学園大学教授の中地重晴氏は、有害化学物質による環境汚染と健康被害に対する市民の環境監視活動について語り、環境安全の重要性を訴えました。鹿児島大学名誉教授の田中信行氏は、リハビリテーション医学と温泉・温熱療法の研究成果を紹介し、地域医療との連携の可能性を示しました。信州大学名誉教授で相澤病院の清澤研道氏は、戦後の医療の課題としてC型肝炎の歴史を振り返り、患者に寄り添う医療の必要性を強調されました。
2日目は、災害対応に関する実践的な講演が続きました。危機管理教育研究所の後藤武志氏は、災害時の初動対応の重要性と、平時からの防災意識の醸成について、全国の被災地支援の経験をもとに語りました。続いて、ピースウィンズ・ジャパンの看護師・木下真由香氏は、令和6年能登半島地震の発災直後から石川県珠洲市で行った支援活動を通じて、地域の力と共助の実例を紹介しました。
午後には「災害に強い地域と医療」をテーマにシンポジウムが開催され、後藤氏、木下氏に加え、佐久医療センターの田中啓司氏、佐久穂町地域包括支援センターの堀米篤子氏が登壇。地域医療と災害対応の連携について、現場の視点から活発な意見交換が行われました。
参加者からは「非常に学びが多かった」「地域医療の未来に希望が持てた」といった声が寄せられ、盛況のうちに講座は終了しました。会場参加に加え、Zoomによるオンライン配信も行われ、多くの方々にご参加いただきました。
今後も地域医療の発展に向けて、知見を深める場を提供してまいります。





