2021年7月13日(火)、「信州まるごと健康チャレンジ2021」のキックオフ学習会をオンラインのライブ配信にて実施し、オンライン参加者や集合視聴を含めて約150名の参加がありました。
冒頭、長野県生協連の太田栄一会長理事より主催者を代表して挨拶がありました。
最初の講演は、東京都健康長医療センター研究所の村山洋史氏より「『つながり』と健康格差~健康の秘訣は人とのつながり」と題して、お話いただきました。ご講演では、最初に「社会とのつながりが少ない生活」は喫煙・過度の飲酒・肥満よりも死亡リスクが高い生活であるとのお話から始まり、なぜつながりが大事なのか?個人が持つつながりと健康の影響、社会全体のつながりと健康、そしてコロナ禍でのつながりについてと分かりやすい、具体的なデータに基づいてお話いただきました。
日本人はつながっているか?OECD(経済協力開発機構)加盟国中最も社会的孤立者が多い国であり、この20年間でも順調に(?)つながりが薄くなっている。つながりの多い人ほど、健康寿命が長い、それは、社会的なサポートを受けやすい環境、支援の情報を得やすい環境、そしてつながりが多いことで安心して生活できる精神的な安定などが得られる。自分にとって居心地が良い関係づくりが大切ですねと話されました。
社会的なつながりと健康という点では、都道府県別に「近所の人たちはお互いを信頼していると感じる人の割合」で比較した結果、お互いに信頼関係が強い(=つながりが蜜)の地域と、お互いに信頼関係が弱い(=つながりが疎)の地域とでは、健康寿命の差がなんと0.5年もあるとのこと。この0.5年の差はとてつもない健康の格差であり、運動や食生活ばかりに目を奪われがちだが、『つながり』にこそ、もっと目を向ける必要があるとのことでした。特に現在のコロナ禍では、人と人とのつながりがますます疎になりがちだが、新しいつながり作り、何となくおしゃべりする、時々お茶のみする程度の弱いつながりを広げていく事こそ今大切なことであると、新しいつながり作りのヒントを沢山いただきました。
後半には松本大学人間健康学部スポーツ健康学科の田邉愛子准教授より「信州まるごと健康チャレンジ2020の成果と効果的な運動実践方法」と題してご講演いただき、その後松本大学の田邉ゼミの橋場和樹さん、高山友里さん、由上つばささん、青柳亮雅さんを講師に運動教室を開催いただきました。
まず、田邉先生からは日常的な運動(歩数)と医療費の差を示し、今多くの企業や行政が取り組んでいる健康経営のデータの紹介がありました。また信州まるごと健康チャレンジは2018年から2020年の三カ年の傾向を示し、高齢者の参加が増えていることや地域ごとでは中信地域の参加が少ないこと、また毎年初めて参加する人の割合が多いが、2年続けて参加すると3年目も参加する割合が高くなる。なので、今年は特に昨年の参加者への案内も大事になるとの分析結果もお話いただきました。
こういうコロナ禍であるからこそ、今年の「信州まるごと健康チャレンジ」が始まるこの時期に、誰かとつながり共有することで、あなたの健康づくりを始めませんか?と呼びかけられました。
田邉先生の講演後、田邉ゼミのゼミ生の皆さんによるコグニサイズ(脳トレと運動)の教室や体力づくりの教室を実施していただきました。頭と身体を同時に動かすコグニサイズは楽しい進行の中で笑いと笑顔の絶えない時間となりました。また体力づくりでは椅子に座りながらできるエクササイズを3つ紹介いただき、簡単そうだけれど身体に効く運動となりました。
参加者からは、
- 全体にとても分かりやすく参考になった。
- 「つながり」がこんなに健康寿命に影響してると知り驚いた。
- 学生さんの運動実践方法はきつかったけど、あっという間の楽しい時間でした。
- 「信州まるごと健康チャレンジ」を会社でも広げたい
等の声や感想が寄せられました。